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『ひとかけらの希望が最後に残ったというけれど
その希望はいったい誰がすくいあげるというの?』
1.
最終電車でいつもの夜空を見上げる。どこまでいっても変わらない、なげやりな溜め息をつく。日常と群集に埋没するのを拒否して斜に構えていたのはずっとずっと前の話で、大切にしていたものはある日ふいに消えてしまった。
それでも君は、何かに憑かれたように走り出して、ぼくの知らない場所へいってしまったね。此処に取り残されたぼくは、いいしれない気持ちを抱えてただ、生きている。君の後を追い掛けようとしたのは確かだけれど、立ち止まってうずくまってみたら、もう立ち上がれなくなってしまっていた。
『燃え立つ炎のように赤いあの惑星は火星。
でもわたしたちの星よりずっとずっと寒いの』
ぼくたちがまだ肩を並べて歩いていた頃、君はそっとつぶやいた。けれども、今日は火星は見えない。小さな小さな思い出のよすがさえ、ぼくは失ってしまったのだろうか?
電車がホームに入り、遠くからけだるいアナウンスが聞こえてきた。ぼくは重たい荷物を抱えて電車を降りる。冷たい夜風が、今夜は一層強い。よろめいて、うっかり荷物を落としてしまった。
うんざりしながら、荷物を拾おうと腰をかがめた。その視線の先に、ぼくは小さな金属製の箱を見つけた。
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